「グゥゥゥ…！」


レアゲンが咆哮を上げながら、川底に向かって沈んでいく。


下流へ流されていき…、洞窟の奥へと消えた。


や…やったぞ。


盾をうまくレアゲンに当てることが出来た。


潜水艇から引き離すことに成功したぞ。


それに大きなダメージを与えることも出来たように思える。


至近距離で硬くした盾を当てたのだ。


もしかしたら衝撃が核に達し、レアゲンを倒せれたかもしれない。


そうでなかったとしても、大分、遠くに弾き飛ばせたのだ。


洞窟の外に出るまでの時間を稼げる。


…あとどれくらいで潜水艇が洞窟の外に出られるだろうか。


私は後ろを振り返り、


「シル。


洞窟の外には、あと何分ほどで出られるだろうか？」


シルに聞いた。


シルが体をほのかに光らせ、進行方向を見つめる。


そして、こちらを向き、


「あと、40分ほど」


と答えた。


「40分…。


まだ…大分あるぞ。


これまでのレアゲンとの戦闘を振り返ると、


それだけの時間を耐えるのは厳しく思える。


先程の攻撃でレアゲンを倒せれていたら良いが…」


「ゲンゴロウ型、現在位置、数百m後方。


動きを止め、下流へ流されている」


私はシルが見ている先に顔を向ける。


「動きを…？


よし…、倒せれはしなかったが、それなりに効いたようだ。


洞窟の外に出るまで、止まっていてくれれば良いが…。


外に出られれば、陸の上で闘える。


レアゲンと闘いやすくなるぞ」


言って、シルの方を振り向いた。


表情を険しくして洞窟の奥を見つめ…固まっていた。


…シル？


ただならぬ…雰囲気だ。


一体…、どうしたというのだ。


「コウ…、気を付けて。


ゲンゴロウ型が…進化をしている」


「なっ…！」