飛ばした盾がうまく当たれば、


レアゲンを遠くに弾き飛ばせるかもしれない。


この危機を脱することが出来るかもしれないぞ。


それだけではない。


至近距離での攻撃なのだ。


まともに当たり、


大ダメージを与えられる可能性もある。


よ…し、盾を飛ばすぞ。


しっかりと…動きを見て飛ばさないと。


近い距離だが、泳ぎの得意なレアゲンだ。


少しでもずれたら、かわされそうに思える。


また、飛ばす直前に盾の強度を高めることも必要に感じる。


レアゲンのこの泳ぎの力だ。


ひび割れた状態のまま盾を飛ばしたら、その圧力に負け、


遠くに弾くという目的を達成する前に、砕けてしまいそうだ。


「グ！」


ピキ！


ヤ、ヤバい。


大分、盾が壊れそうになってきた。


早く盾を飛ばさないと！


レアゲンの動きは―


「グゥゥゥ…グ…グゥ！」


激しく頭を盾に押し当てており、上下左右にカクカクと動いている。


今は狙いがずれそうで…盾を飛ばせない。


ピキ、ピキ！


レアゲンの動きが落ち着くまで、持ってくれ盾よ！


「グゥゥゥ…グ…グゥ…」


レアゲンが圧力を弱め、動きを止めた。


い、今だ！


盾よ硬くなり、レアゲンを強襲するのだ！


ブ…！


盾が圧縮され、ひび割れが消える。


そして、


ゴォ！


レアゲンに向かって弾かれたように動き出した。


盾がレアゲンを正確に捉え―


バァン！


後ろへと弾き飛ばした。