「ぐ、はぁぁぁ！」


受けた水の勢いで、体が宙に舞い上がる。


当たる直前に盾を出し、体へのダメージは抑えられたが、受け止めた時の体勢が悪かった。


空中でバランスを崩しながら、後ろに飛ばされていく。


イカダの外に放り出された。


川に、落ちる…！


ザァァァー！


…いや、


落ちないかもしれない！


イカダが、私を追って、川の上を滑っていた。


シルがイカダを動かしてくれている！


しかし、ギリギリに思える。


間に合ってくれ！


シルに私の願いが届いたのだろう。


ザァ！


イカダが急加速し、私を受け止めてくれた。


川に落ちなくて良かったぞ。


私は、体を起こし、立ち上がる。


…良かったと感じるのは、川に落下しなかったことだけではないようだ。


私は、バランスを崩していたため、肩から、勢いよく落ちてしまった。


しかし、その割にダメージがない。


この粒子のイカダのクッション性が、衝撃を軽減してくれたのだ。


「くぅん…」


「コウ、大丈夫？」


クーとシルが、心配そうに横から私に声をかけた。


「ああ。


粒子のイカダのお陰で、助かったぞ。


川に落ちずにすんだ。


そして、落下時の衝撃から救われた。


…レアアメン。


恐ろしい瞬発力だ。


私の粒子の波動が、ことごとく避けられてしまった。


攻撃を当てることが出来るのかと感じる。


ただ、


粒子の波動を連射し終わった今、


落ち着いて考えてみると、


当てることは、必ずしも不可能ではない、ような感じがしてくる」