よし！


今度は、放った後に意志力を高めてみるぞ！


私が、そう思った時だった。


「ぐぅ、ぐぅ！」


レアダンが突然、雄叫びをあげた。


そして、ダンゴムシのように、丸まり始めた。


これは…？


何か嫌な予感がする…ぞ。


私のその予感は的中した。


丸まり終わった途端、転がりながら、私に向かってきたのだ。


いかん！


走ってくるより、動きが速い。


避けさせまいと、手を打ってきたぞ！


私は、その軌道上から外れようと、左に向かって走る。


しかし…、


その私の動きに合わせ、機敏に軌道修正してくる。


このままでは、避けられないぞ！


くっ…！


こうなったら、一か八かだ。


粒子の波動を…当てる。


うまくいかなければ、攻撃を食らい、吹っ飛ばされてしまうだろう。


失敗は許されない。


粒子の波動の威力…、


高めてやるぞ！


うぉぉぉ！


「空気中の粒子、集束」


シルの言葉とともに、私の右手に、半透明な粒子が集まり始めた。


ブ…。


粒子が振動する。


行け、粒子よ！


私は右手を前に突き出し、粒子を放った。


ブゥン！


振動音を放ちながら、レアダンに向かって飛ぶ。


直撃コースだ。


バァン。


ブゥゥゥ。


粒子の波動が、ぶつかり、レアダンを押し始めた。