粒子の波動の押す力により、レアダンの私に向かう速度が少し遅くなる。


「ぐっ！」


レアダンが鳴き声をあげる。


よし。


レアダンが少しだけ、遅くなった。


拡散し、消滅する前に、もっと意志力を高めてやるぞ！


うおお！


届け！


私の意志力よ！


私は、右手を前に突き出し、粒子の波動へ意識を集中させた。


私のジャケットの内ポケットに入っている意思石と、シルが光り始めた。


「意志力、上昇。


波動へエネルギー、充填」


シルが言い終わった瞬間―


ブゥン！


消滅しそうになっていた粒子の波動が、強く震動し始めた。


そして、レアダンの動きを止め…弾けた。


バァン！


「ぐぅぅぅ！」


強い威力になったようだ。


レアダンが、丸まるのを止め、その場で咆哮をあげる。


動きが止まった今が、攻撃するチャンスに思える。


私は、レアダンに向け、走り始めた。