レアコクが向かってくる。


3mまで伸びた、口先を揺らしながら。


その口先をみると高速振動している。


明らかに威力が上がっているぞ！


私の後ろには祭壇があり、力石にアクセスしているシルがいる。


逃げた場合、シルも力石もアウトだ。


近づけさせては駄目だ！


私は盾になるべく、レアコクの進路上へと跳んだ。


その時だ。


「コウ。


危険！」


シルが普段より大きい声を上げた。


そして、意思石とともに私の方へ速い速度で飛んでくる。


「防ぎきれない！」


そう叫び、右手から粒子の波動を飛ばし、私を弾いた。


「なっ！」


私は祭壇から、5mほど離れた位置まで飛ばされた。


シルと意思石も、私のそばに遅れてやってくる。


どうして。


私は聞きたかったが、レアコクの行動がそれを許してくれなかった。


私がいた場所を、レアコクが通り過ぎる。


そして、祭壇まで近づくと、


口先をより高速に振動させて、振り下ろした。


ブゥゥ…ン。


バァァァン！


祭壇が…、


吹っ飛んだ。


祭壇がレアコクの1度の攻撃で破壊されてしまったのだ。


私はシルが私を弾いた理由を悟る。


攻撃を受け止めたら、やばかったのだ。


背筋が凍る。


シルに感謝したいが…。


しかし、疑問がある。


祭壇にあった力石はどうなったのだろうか？


私がそれを聞こうとした時、先にシルが口を開いた。


「力石…破損。


すまないコウ…。


間に合わなかった…」


シルが酷なことを告げる。


そんな！


シルは戦う前に、力石がないと勝てないと予測しているのだ。


つまり…、


このままいくと、やられてしまうということだ。


ヤバすぎるぞ、これは！