レアゲンは今、頭で盾を押すことに、気を取られているように見える。


突然盾を振動させれば、うまく反応出来ず、


弾かれてくれるかもしれない。


「グ！」


ピ…キ、ピキ！


怒涛のごとく繰り返されるレアゲンの圧力で、


盾がヤバいくらいにひび割れてきている！


は、早く振動させて、レアゲンを盾から離さないと！


振動せよ、盾よ！


ブゥ…！


私の意に従い、盾が激しく振動し始めた。


「グッ！？」


盾に頭を押し当てていたレアゲンが、振動を受け、うめく。


盾を押す力を弱めた。


よし、押せている。


もっと激しく振動させ、このまま弾くぞ！


うおお！


ブゥゥゥ！


盾が一段と激しく振動する。


「グ、グゥ…！」


レアゲンが盾の振動に激しく頭を打たれ、


少し後退した。


しめた！


さらに振動を高められれば…。


私がそう思った時、


ピ…キ、ピキ！


盾が今にも砕けそうな音を出し始めた。


た、盾が！


そ…そうか。


ひび割れている盾を激しく振動させているのだ。


急激に損壊が進み…。


くっ…あとひと押しなのだ。


持ってくれ、盾よ。


持って、急激に振動してくれ、


盾よぉぉぉ！


私の意志を受け、後ろのシルが輝き、


ブゥゥゥゥゥ！


盾が急激に勢いを高め、振動した。


バァン！


盾がレアゲンを激しく打ち、


「グッ…！」


弾き飛ばした。