ザザァァァー。


アンデス山脈に向け、アマゾン川を粒子のイカダが上っていく。


ドームの中から、外を眺めていると、


「コウ。


興味深い物、見つけた」


情報提供データベースのシルが話しかけてきた。


何を見つけたのだろうか？


「電動鉛筆削りき、えんぴつタイプ」


「電動鉛筆削りき、えんぴつタイプ？」


「そう。


今、投影する」


彼女は、そう言うと手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、ドーム内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。

電動鉛筆削りき えんぴつタイプ ブルー

「これ」


「おお…。


良い…ぞ。


子供の頃、電動鉛筆削りを使った時、


自動で、素早く削れ、面白いと思ったものだが、


これは輪をかけて面白い。


しかし…、鉛筆をさす穴が見つからない。


どこにあるのだ」


「上。


鉛筆を立てて、削る」


「なるほど。


地球の引力を利用して、削ることが出来る。


楽に削れそうだ」


「無駄削り防止機能と、安全オートストップ機能、あり」


「？」


「鉛筆が削れ、尖った状態になった時、それ以上の削りを防止する。


クズケースがされていない時、作動しない」


「それは嬉しい。


経済的、かつ、安全と言える」


良い電動鉛筆削りだ。