うう～ん。


私は、立ち上がり、背伸びをした。


そして、あぐらをかいて座った。


ふぅ。


ほっと一安心だ。


粒子のイカダと、休憩ドームをシルが出してくれた。


順調にアンデス山脈へ向かうことが出来る。


私は、横で目をつぶり、浮遊しているシルを見た。


うっすらと光を放っている。


粒子の操作に力を使っているのだ。


…考えてみると、


申し訳ないと感じる。


私が座って休んでいるのに、シルは力を使って、粒子の操作を行ってくれているのだ。


粒子のイカダと、休憩ドームの2つを構築し、維持している。


そして、イカダを動かすために、水流のコントロールまで行っている。


大丈夫なのだろうか？


「シル。


大変ではなかろうか？」


私は、シルに聞いた。


彼女は、目を開け、振り向く。


そして口を開いて言った。


「過負荷、特別、なし。


私は、同時並行的に処理を行えるスペックを持っている。


多くの人に、情報提供を行う必要があったため。


イカダ、ドームの構築は、少しの粒子で可能。


水流のコントロールも、イカダ周辺の一部の粒子で可能。


余力あり。


アマゾン川上ること、余裕」


そう言い、体を点滅させた。


「おお…。


なるほど。


すまないが、宜しく頼むぞ」


私が、そう言うと、シルはうなずき、体を強く光らせるのだった。