放たれた粒子が、高速に振動しながら、レアダンに向かって飛ぶ。


良い軌道だ。


レアダンに直撃コースである。


レアダンは、私のこの攻撃を予測していなかったようだ。


「ぐぅぅぅ！」


回避行動をすることなく…正面から粒子の波動を受けた！


バァン。


炸裂音がドーム内に響く。


これは、


弱い音…だぞ。


「ぐぅ」


レアダンの鳴き声とともに、レアダンを押していた粒子の波動が周囲に拡散し、消滅した。


レアダンは少し速度を緩めただけだ。


すぐに加速し、突進を続ける。


なんか、全然効いてない…ぞ。


いかん！


ショックを受けている場合ではない。


突進を食らってしまう。


私は、右に跳躍し、避ける。


ダダダ！


レアダンが通り過ぎる。


着地した後、私は地面に膝をついた。


「くっ、粒子の波動でも駄目…か。


どうすれば良いのだ…」


私は、頭を抱えた。


その時だ。


私の周囲を浮遊していたシルが、正面に現れた。


「コウ。


距離が離れると、エネルギーの到達量、減少。


威力…減」


私は肩を落とす。


「駄目…ということか」


その私の言葉に、シルが首を横に振った。


「放った後、意志を高めて。


私は、より遠くに力を及ぼすことが出来る。


波動の威力、上昇可能」


シルのその言葉に、沈んでいた私の表情が、明るく輝き始めるのだった。