レアダニの方を見ると、牙が少し欠けているように見える。


微量だが、ダメージを与えることが出来ている。


同じように攻撃を繰り返していけば、牙が折れ、レアダニの体へ、攻撃を加えることが出来るかもしれない。


光明が見えてきているぞ！


そう思った時だった。


「ぐぅぅぅ！」


レアダニが突然、咆哮をあげた。


そして、


後ろの2本の脚で立ち上がった。


「まさか！


レアコクの時と同じように、パワーアップするのか！？」


その通りのようだ。


他の6本の脚が前に伸びる。


牙も前へ伸び、振動し始める。


ブゥゥゥ。


これは、ヤバいぞ…。


牙だけでなく、6本の脚による攻撃が出来るようになってしまった。


その上、脚も、牙も2m程伸びている。


もし今の私の刀で、攻撃を仕掛けたら、刀が届く前に、攻撃を食らう危険性が高そうだ。


粒子の刀の長さは1m程だ。


致命的にリーチが足りていないのだ。


今のままではいけない。


刀を伸ばす必要がある。


私は、念じた。


ブゥン。


刀が2m程に伸びた。


しかし、私は、素直に喜ぶことが出来なかった。


なぜならば、伸びると同時に、刀が弱くなったと感じたからだ。


刀身が細くなってしまった。


振動も弱まっている。


「伸びた分、粒子分散。


それにより、刀、弱体化」


シルが、厳しい現実を私に伝えた。


「くっ！


私の意志力が足りていないか！」


こんな刀で、レアダニとうまく戦えるのか？


そんな不安をよそに、レアダニが私の方へ、歩みを進めるのだった。