「くぅん…」


私が休憩ドームのやわらかな床に座った時、突然、横から鳴き声が聞こえた。


犬型食糧配給システムのクーだ。


私がお腹を空かせていることを察して、意思石から出てきてくれたのだ。


「くぅん」


出して欲しいものを聞いている…。


何にするか。


…よし。


「おにぎりと、緑茶をお願いしたい」


私は、そう言うと、クーの意志力エネルギー変換システムに念じた。


食べたい物を感じ取ってくれる、利口な犬なのだ。


「わん！」


了解してくれたようだ。


「くぅん、くぅ～ん…」


食べ物を生成してくれている。


「わん！」


生成が完了したようだ。


私の前に、大きめのおにぎり2個と冷えた緑茶が現れた。


おお…。


おいしそうだ。


「頂戴する」


私は、そう言い、緑茶を口に含む。


乾いた体に、うるおいが戻ってくる。


次に、おにぎりを食べる。


シャケが入ったおにぎりである。


もう1つには、昆布が入っている。


2つとも、おいしいぞ！


クーは調理上手だ。


ありがたいぞ。