レアコアケラの攻撃で、アマゾンの木々は大変な有様だ。


幹は傷つき、枝は折れている。


レアコアケラの土砂攻撃は恐ろしいものだった。


私も、直撃は避けられたものの、ボロボロだ。


体のあちらこちらが痛い。


「コウ。


大丈夫？」


「ああ。


所々がヒリヒリするが、大丈夫だ。


粒子の盾のおかげで、大分助かった」


盾で防御出来なかったら、このくらいの怪我では、すまなかっただろう。


「コウ。


治療を行う。


動かずに、立っていて」


「治療…？


わ…分かったぞ」


彼女が私に右手をかざした。


彼女の体がほんのり光を放つ。


それと同時に私の額や足に何かが付着した。


「こ…これは…？」


「周囲に存在する、薬効のある粒子を集め、


コウが負った傷に付着させた」


「薬効のある粒子…。


お…おお、


レアコアケラの攻撃で痛かった体が、


徐々に痛くなくなってきている…」


「傷の治癒に効果的な粒子、凝縮した。


私は怪我を治療する専門のシステムではないため、


簡易的な治療。


でも、数時間で怪我、良くなる」


「痛みが…ほとんど気にならなくなってきた。


とても簡易的な治療とは思えない…。


ありがたい。


これなら多少怪我しても大丈夫そうだ…ぞ。


だが…、攻撃を受けないよう、うまく闘っていきたいところだ。


レアコアケラとの闘いでは、油断して攻撃を食らいそうになってしまった。


相手の動きに注意を払って闘うようにしないと。


それに意志力をもっと高められるようにしたい。


放った波動がレアコアケラに効かなかった。


シルは自身の力不足で広い範囲に力を及ぼせないと言ったが、


私が意志力エネルギー変換システムにしっかり意志を注げていれば、


もっと波動の威力が高まっていた。


遠くにいたレアコアケラにも、もう少しダメージを与えられたのだ」


「恐縮…。


コウをサポート出来るよう、力石で力を増大したい」


「言ってはみたものの…、うまく闘えるか、いまいち自信が持てない。


シルの力が強まれば、嬉しい。


力石のある遺跡へ向かうぞ」


私は言って、歩き出した。