な…何か他に方法は…。


刀を振動させる以外に、レアゲンの脚の下から脱することが出来る、


有効な手はないだろうか…。


「グゥゥゥ！


グゥゥゥ！」


と…とどまることを知らない、上からの後ろ脚の圧力だ。


あと数回、同じように圧力をかけられたら両腕が限界に達する…。


は…早く、何か手を考えないと…。


「グゥゥゥ！


グゥゥゥ！


ググゥ！


グゥゥゥ！」


あ…あったぞ、方法が。


刀を後ろ脚に向かって飛ばすのだ。


水中で盾を飛ばした時は、レアゲンを後ろに弾くことが出来た。


刀で行う今度も、タイミング良くしっかりと力を加えて飛ばせば、


レアゲンの体勢を後ろに崩すことが出来るかもしれない。


「グゥゥゥ！


グゥゥゥ！」


い…今は駄目だ。


レアゲンの上からの圧力が強い。


刀を飛ばしても、押し返せるか微妙だ。


もう少し圧力が弱くなった時でないと…。


「グゥゥゥ！


グゥゥゥ！」


ま…まだだ。


持つ…のだ、私の両腕よ…。


「グゥゥゥ…。


グゥ…」


後ろ脚の圧力が弱まった…！


い…今だ！


後ろ脚に向かって飛ぶのだ、刀よ！


ブ…！


頭上に構えていた刀が上に動き出し―


レアゲンの後ろ脚をぐっと持ち上げた。


「グッ！？」


よ…よし、レアゲンの後ろ脚が持ち上がった。


このまま一気にたたみかけるぞ！


私は上に飛ぼうとする刀に思い切り両腕の力を加え、


さらに高く後ろ脚を持ち上げたところで、


ブゥン！


強くなぎ払った。


「グ…！？」


レアゲンが押されて、後ろにバランスを崩した。


よ…よし、レアゲンの後ろ脚を払いのけることが出来た。


自由に体を動かせるようになったぞ。


今がチャンスだ。


レアゲンはまだ後ろに倒れそうになっている！


うおお！


私はレアゲンを追って左足を一歩前に踏み出し、


ブゥン！


刀を振り下ろした。


刃がレアゲンの体を捉え―


ザァン！


切り裂いた。


「グゥゥゥゥゥ！」


レアゲンが咆哮を上げながら後ろに吹っ飛び、


バァン！


壁に激しくぶつかった。


そのすぐ後、


レアゲンの体が光を放って、激しくぶれ―


とけるように虚空へと消えた。