「くぅ～ん…」


横から、愛らしい鳴き声が聞こえた。


声をした方を向くと、犬型食糧配給システムのクーがつぶらな瞳で私を見つめていた。


「おはよう、クー」


「わん！


くぅん、くぅん」


「おお…、朝食を提供しに来てくれたのだな。


何を頼もうか…。


よし。


決まった。


食べたい物を送るぞ…」


私は、食べたい物をイメージし、クーに念じた。


「わん！」


了解してくれたようだ。


体を薄く光らし、食べ物の生成を始めた。


「くぅ～ん、くぅ～ん…」


周囲の粒子を集め、合成し、作ってくれている。


「わん！」


完了したようだ。


私の前に、シャケふりかけのかかったご飯と、シラスが添えられた大根おろしが現れた。


「む…。


おいしそうだ…。


頂くぞ」


私は、左手を大根おろしの皿に伸ばした。


そして胸元に運ぶと、箸を使い、食べた。


口の中に、シラスのソフトな食感と、大根おろしの辛くて甘いスッキリとした味が広がる。


少し食べ、ご飯茶碗と交換する。


ふりかけとともにご飯を口に運んだ。


…うむ！


美味だ！


「素晴らしい味だぞ、クー！」


「わん！」


朝から力がみなぎってくる…ぞ。