ザザァァァー。


アンデス山脈に向け、アマゾン川を粒子のイカダが上っていく。


ドームの中から、外を眺める。


陽が完全に落ち、大分暗くなっている。


川沿いに人は住んでおらず、周囲に人工的な明かりはない。


休憩ドームの内側の壁が放つ光と、星明りがなければ、闇が支配していただろう。


…いや。


別の光が…ある。


白く輝く数条の細かな光が、休憩ドームから離れて、飛んでいった。


ホタルだろうか？


しかし、ホタルにしては、速すぎる。


瞬きした次の瞬間には、彼方に消え、見えなくなっていた。


…まただ。


光ったと思うと、地平線へと消えた。


一体、この光は何だろうか？


私は辺りを見回した。


…ん？


また…光りだ。


今度は、向かってくる…。


…そんな。


こちらに、一直線だ！


…来た！


うわっ！


光は、ドームを突き抜け―


消えた。


ドームを…貫通していない？


内側で消えたのか？


私は、光が消えたとおぼしき場所を見た。


そこにあったのは―