「ぐ、はぁ！」


私は、レアダニの脚によって攻撃を受け、高い傾斜から転がり落ちる。


かろうじて粒子の盾を出し、脚の直撃は免れた。


しかし、強く弾かれ、地面にまともに叩きつけられてしまった。


体に激痛がはしる。


ドォン。


転がり落ちる私を木が止めた。


薄目を開け、レアダニの方を見ると、近付いて来るのが分かった。


今の自分の体勢では、攻撃に対処出来ない。


立ち上がる必要がある。


しかし、体がしびれ動かなかった。


「ぐぅ、ぐぅ！」


レアダニが、勝ち誇ったように鳴いた。


そして、軽快にステップし、近付いてくる。


これは、ヤバい…。


しかし、体が言うことを聞かない…ぞ。


レアダニが、私の近くまで来てしまった。


ここまでか…。


そう思った時、


「コウ！」


シルの叫びが聞こえた。


その声を聞き、私の心に力が宿る。


「まだ…だ！」


私は、なんとか体を起こし、粒子の刀を出現させた。


ブゥン！


私がやられたら、シルが標的になってしまう。


そんなことはさせない…ぞ！


うぉぉぉ！


ブゥゥゥン！


「意志力上昇。


利用粒子量、増加」


2mの刀の刀身が太くなり、振動が激しくなる。


この刀なら、いける…かもしれないぞ。


当たれ！


ブゥ…ン！


私は刀を、近付くレアダニの頭に向け、振り下ろした。