情報提供データベースのシルが私の3mほど先を浮遊しながら進んでいる。


その5mほど先を犬型食糧配給システムのクーが進む。


レアコアが封印された地下遺跡に入るため、


そのキーのあるアマゾンの遺跡に向かう途中だ。


今、私が歩いている場所は、草木が密集して生えている。


かなり視界が悪い。


沼に落ちたり、崖から転落しないよう、注意が必要と言える。


そう思いながら進んでいると、クーが突然立ち止まった。


そして、震え始める。


「くぅん…」


どうしたのだろうか？


「コウ。


警戒。


危険生物」


シルが私に注意をうながした。


「何かいるのか？」


私は声をひそめ、聞いた。


「いる。


木」


シルが進路上の木を指で指した。


私は指された先を、木の裏から、そっとのぞいた。


いた。


太い枝の上にいる。


こいつは…。





ジャガーだ。


大きい。


1.5mほどはあるだろう。


クーに気付き、鋭い目で、にらんでいる。


「くぅん…」


クーが弱々しい鳴き声をあげる。


「ジャガー。


ネコ科の哺乳類。


危険。


噛む力、強力。


人を襲う恐れ、あり」


危なかった。


クーが先に気付いてくれなかったら、襲われていたかもしれない。


感謝だ。


私達はジャガーを刺激しないよう、その場をそっと後にした。