昼食を食べてから時間が経ち、お腹も大分落ち着いてきた。


もうそろそろ出発しようかと思い、立ち上がった。


「行こうか」


情報提供データベースのシルに言った。


しかし、彼女はシリアスな顔つきで固まっていた。


「？」


もう一度呼びかけようとすると、彼女が口を開いた。


「コウ。


注意。


レアコアの欠片が近づきつつある」


「！


レアコアの欠片が…来るのか」


「もうしばらく後。


心の準備、必要」


レアコアの欠片がついに来る…。


最初に来た、ミミズ型のレアコアの欠片は倒すことが出来た。


しかし…、レアコアの封印が解けるにしたがい、欠片が強くなりそうに思える。


心の力を武器に変えることが出来る、シルの能力が頼みだ。


「そういえば、心の力を武器に変える能力は、一体どういった仕組みなのだ？」


「古代人は、意志力をエネルギーに変換する技術を開発した。


意志には波動があることを発見。


その波動をエネルギーに変えるシステムを開発した。


意志力エネルギー変換システムと呼ばれていた」


意志に波動あるというのか？


「そのシステムは、様々な物に組み込まれた。


乗り物。


家電製品。


建物など」


なるほど。


動いて欲しいと思っただけで乗り物が動くようになれば、


ガス欠で困るということがなくなって安心だ。


「そのシステムが、特別に私に組み込まれている」


「特別？」


「そう。


私は情報提供データベース。


情報提供目的。


本来、意志力エネルギー変換システムは不要。


しかし、私の開発者が護身用に付けた」


なるほど。


おかげで、レアコアに対抗出来る。


その開発者に感謝だ。


しかし…。


「私の意志力で、これからもレアコアの欠片を倒すことが出来るのだろうか…」


いかん。


弱音を言ってしまった。


「コウ。


才能あり。


意志力の強さ、良好。


今日、戦いの時、平均を上回った。


平均が100だとした場合、コウには120の意志力があった」


嬉しいことを言ってくれた。


おかげで気力が高まった。


「気持ちを高めて頑張るぞ」


動き出した歯車は止めることが出来ない。


それならば、意志力を高めようとする意志を高めて、


なんとかしていきたいと思った。