盾よ、振動するのだ！


ブゥ…！


私の意に従い、盾が振動し始めた。


「グ…！」


盾に頭を押し当てていたレアゲンが嫌そうにうめく。


振動する盾に押され…、少し後退した。


よし、振動が効いている。


先程は振動をこのくらいのレベルから数段強めることで、


レアゲンを弾くことが出来た。


同じように振動を強め、レアゲンを弾く！


強まれ、振動！


ブゥゥゥ！


盾の振動が数段、強まった。


ガガガッ！


盾がレアゲンの頭を激しく叩く。


「グッ…！」


レアゲンが苦しげな声をもらし、さらに後退した。


レアゲンを…押せている！


後少しだ！


もう数段、振動を強められれば、レアゲンを遠くに弾けるはず！


もっと振動するのだ、盾よ！


うおお！


ブゥゥゥゥゥ！


急激に盾の振動が強まり―


バァン！


猛烈な勢いでレアゲンの頭を叩いた。


先程レアゲンを弾いた時と同じレベルの振動―


これでレアゲンを弾き飛ばせれたはず―


私は壁の先をにらみ、


「…なっ！」


驚愕の声をもらした。


なぜなら、


バァン、バァン、バァン！


弾き飛ばされると思っていたレアゲンが、


振動に耐えきり、盾に頭を押し当てたままだったからだ。


驚きの表情を隠しきれない私を見て、


「グゥ！」


レアゲンが不敵に鳴き声を上げた。