よ…し。


塊が大きくなった。


レアゲンに…、


波動となって、向かうのだ！


私の意思を受け、


ゴォォォ！


粒子の塊が、激しく音をたて、レアゲンに向かって動き出した。


塊が水のように流動的になり、先端から後方へ波をたて、


彗星のように、粒子を散らしながら、川の中を進んでいく。


粒子の波動の飛び方について、今まで深く考えたことはなかったが、


先程のシルの話を思いだすと…、


意思石から遠ざかることで、粒子同士の結びつきが弱くなっていき、


飛び方が、あのようになるのだろう。


いかん…、


悠長にそんなことを考えている場合ではなかった。


色々、もたついてしまったので、


レアゲンにかなり、迫られてしまっているのだ。


今は50mほど先。


後ろ脚で素早く水をかき、上下左右に細かく揺れながら、


凄い勢いで、こちらに向かってきている。


あの波動を当てないと、潜水艇まで接近されてしまうぞ。


しっかり神経を集中し、直撃させ、これ以上の接近を阻止せねば。


レアゲンと波動との距離は、後、20m程…。


泳ぐ方向を大きく変えず、こちらに向かっている。


波動と衝突コースだ。


このまま泳いでくれれば、直撃だが…、


相手は泳ぎの得意なゲンゴロウの姿をした、レアコアの欠片だ。


素早く回避動作をするだろう。


その時に、


波動の進む方向を変えてレアゲンを追い…、


当ててやる…ぞ。