私は1m先の水中にある粒子の塊を見つめ、


「なぜだ。


なぜいつもより大きさが…」


呆然とつぶやいた。


そのつぶやきに、後ろにいるシルが反応し、


私の右横に飛んでくる。


「距離があるため、エネルギー到達量、減少。


操作可能な粒子の量、減少した。


粒子量、高いレベル、維持するには、


粒子を集める位置と、私の意思石との距離、


離れていない必要、あり」


シルの言葉を聞き、私はあっと声をもらす。


「そういえばそうだぞ。


波動を放った時、遠くに行けば行くほど、


エネルギーが届かなくなり、大きさが小さくなっていった。


粒子を集める場合も、それと同じなのだな。


遠くの位置で集めれば、近くで集めるより、小さくなる…。


私はいつも手元で粒子を集めていて、遠くの位置で集めたことがなかったので、


それを、不思議に感じてしまったぞ。


…いかん。


早く攻撃をしないといけないのだった。


レアゲンとの距離が、大分、縮まってきてしまっている。


こんな時に手間を取らせて、すまなかった、シル。


急いで、迎撃を行う」


言って、私は前に跳んで、壁際に、右ひざを床につき着地する。


そして、右の手の平を、レアゲンにかざした。


シルの意思石を、粒子の塊に、近付けたぞ。


これで、塊を大きく出来る。


届け、私の意志力よ！


うおお！


私は意志力を高めた。


私が発した意志力が、


私のジャケットの、左の内ポケットに入っている、シルの意思石の、


意志力エネルギー変換システムに届き、


エネルギーに変換され、


そのエネルギーで、シルが、目の前の塊に向け、粒子を集め―


ブ…。


塊が、1mに大きさを変えた。