ザザァァァー。


アンデス山脈に向け、アマゾン川を粒子のイカダが上っていく。


ドームの中から、外を眺めていると、


ふぁぁぁ。


私の口から、あくびがもれた。


夕食を食べてから、大分、時間が経った。


もう眠る時間だぞ。


私はシルがドームの端に準備してくれていた毛布を、


手を伸ばして、そばに寄せ、


体を後ろへ倒し、仰向けになった。


やわらかな床が、私の背中を優しく受け止める。


ふぅ…。


疲れた体がリラックスしていく…ぞ。


…今日もまた、大変な一日だった。


アメンボ型のレアコアの欠片、レアアメンから襲撃を受けたのだ。


水上を素早くすべれる脚と、水を高速に打ち出せる口を持った強敵だった。


揺れる川の上で戦うには、厳しいと感じ、


陸に上がろうとしたが、その力で阻んできた。


シルがイカダを広げて戦いやすくしてくれなかったら、


まともに応戦出来ず、アマゾン川の急流にのまれていただろう。


途中で進化をしてからは、さらに厳しくなった。


接近戦を仕掛けてくるようになったのだ。


至近距離で水を放たれた。


長い脚で攻撃され、身動きが取れなくなった。


シルのサポートがなかったら、


意志力を高めることが出来なかったら、


どうなっていたことかと思う。


レアアメンとの戦い…、


よくしのぎきれたと感じる…ぞ。


…大分、眠たくなって…きた。


…もう…寝る…ぞ。


…ぐぅ。