ブゥン！


粒子の波動が、私の意志に応じ、速度を加速させた。


レアアメンは、まだ動きを見せていない。


川の流れに身を任せている。


これは、


当たるかもしれないぞ。


その私の見方は、


楽観的だった。


なぜなら、


「ぐ」


ザァ。


当たる寸前、


レアアメンが素早く脚で水をかいて左方向にスライドし、波動を避けたからだ。


そんな…。


この至近距離からでも避けられるのか。


コンパクトな動作で避けられてしまった。


ヤバいことに気付くぞ。


攻撃を当てることが不可能に思えてくる。


レアアメンの瞬発力は、私の考えた以上に高いのだ。


遠距離攻撃である粒子の波動では、厳しいぞ。


となると、近付いて攻撃するしかないが…。


ここは川の上であるものの、シルがイカダをコントロールしてくれる。


近付くことは不可能ではないかもしれない。


しかし、レアアメンの水上における移動能力は尋常ではない。


遠距離主体の攻撃を相手が考えていたらアウトだ。


せっかく近付いても、距離が離されてしまう。


私はどうすれば…。


ボシュ！


私が頭を抱えた時だ。


前から、水を放つ音が響いた。