ザザァァァー。


アンデス山脈に向け、アマゾン川を粒子のイカダが上っていく。


ドームの中から、外を眺めていると、


「コウ。


興味深い物、見つけた」


情報提供データベースのシルが話しかけてきた。


何だろうか？


「ゆらゆらパンチ」


「ゆらゆらパンチ？」


「そう。


今、投影する」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、ドーム内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。

ゆらゆらパンチ

「これ」


「おお…。


猫が遊んでいる…ぞ。


猫用のおもちゃだろうか」


「そう。


つり下がったふわふわボールをパンチして楽しむおもちゃ。


パンチして倒しても、起き上がる」


「良い。


猫が何度も、パンチを繰り返すことが出来る。


持続的に猫を楽しませることが可能と言える」


「また、本体ボールの中にも、猫を楽しませる要素、あり。


ボールが動くと、中に入った魚、揺れる。


猫の好奇心、高まらせること、可能」


「二重の遊びがあるというのか…。


猫が長く楽しめるぞ」


良い猫のおもちゃと感じた。