ザザァァァー。


アンデス山脈に向け、アマゾン川を粒子のイカダが上っていく。


ドームの中から、外を眺めていると、


グゥゥゥ…。


私のお腹の音が鳴った。


辺りを見回すと、大分陽が落ち、薄暗くなってきている。


もう夕食の時間だぞ。


「クー。


すまない。


お腹が空いてしまった。


夕食をお願いしたいのだが…」


私は、隣で寝そべっていた犬型食糧配給システムのクーに言った。


「わん！」


クーは、うなずくと、起き上がり、私の方を向いた。


さて、何を食べるか…。


よし。


決まったぞ！


私は、食べたいものをイメージし、クーに念じた。


「わん！」


了解してくれたようだ。


「くぅ～ん、くぅ～ん…」


光を放ち、食べ物の生成を始めた。


数秒後、私の前に、食事が現れた。


ご飯、サンマの缶詰、コーンスープだ。


おお…！


おいしそうだ！


私は、缶詰を開けると、サンマをご飯の上にのせた。


サンマの蒲焼だ。


私はそれをほぐすと、ご飯と一緒に口に運んだ。


醤油で焼かれた香ばしい味が口の中で広がる。


良い…。


食べ終わると、コーンスープに手を伸ばす。


スプーンを使い、飲んだ。


クリーミーだぞ。


「おいしいぞ！


クー！」


「わん！」