川底から、陸へと上がった。


横から襲い来る川のプレッシャーがなくなり、ほっと一安心だ。


私は、気が抜け、その場で座り込んだ。


前を見ると、シルがドームに向け、手をかざしていた。


半透明のドームが、薄くなっていく。


ドーム形成に使われた粒子を解放しているのだ。


完全に透明になった。


ド、ドォォォ！


その途端、川が流れ込み、水しぶきが起こった。


川が激しくうねる。


これは凄い迫力だぞ！


アマゾン川は、なんと流量の多いことか！


…！


い、いかん！


悠長に眺めている場合ではないぞ！


この場所は、川から近すぎた。


大波が…、


こちらに向かってくるぞ！


私は、急いで立ち上がると、そばにあった木にしがみついた。


そのすぐ、波が私を襲った。


ドォォォ！


うわぁぁぁ！


すさまじい流れだ！


私の手よ、木から離れるな！


のみ込まれるぞぉぉぉ！