レアダンが凄い勢いで向かってくる。


砂煙が上がっている。


パワーがありそうだ。


やはり、まともに正面から斬りかかったら、吹っ飛ばされ、ダメージを負うだけだ。


私は、左に跳躍し、避ける。


ダダダ！


レアダンの駆ける音が、空中を跳ぶ私の鼓膜を揺さぶる。


着地した後、すぐにレアダンを見る。


しかし、すでに後ろ姿だ。


速い突進スピード…。


その後を追って、走って近付き、攻撃するのは不可能に思える。


このままでは攻撃出来ないことを実感した…ぞ。


ヤバすぎるぞ！


…待てよ。


思ってみれば、攻撃手段は、粒子の刀だけではないぞ。


あの時は、有効打にならなかった。


しかし、今の私は、その時と比べて少しだけ意志力が高まっている。


威力も高まっているはずだ。


試してみる価値があるように思える。


もしかしたら、レアダンに多少なりともダメージを与えられるかもしれない。


やって…みるぞ！


レアダンが15mほど離れてから振り返り、私をにらむ。


そのレアダンに対し、私は、右の手の平をかざした。


そして、粒子が集まるよう、念じる。


「意志力エネルギー変換システム、起動。


空気中の粒子、集束」


ブ…。


シルが、私の意志力をエネルギーとして、粒子操作し、私の手の平に粒子を集めた。


その直後、レアダンが再び、突進を開始する。


私は、その粒子を、レアダンに向け…放った。