うう～ん。


私は、背伸びをした。


私の中に、おいしい空気が入ってくるぞ。


このドームは、新鮮な空気を取り入れる機能があるのだろう。


そう思いながら、前を見ると、犬型食糧配給システムのクーが、私をつぶらな瞳で見つめていた。


「くぅ…ん」


「おはよう、クー！」


「わん！


くぅん、くぅん」


「何が食べたいか聞いているのだな？


念じるので、宜しく頼む」


私は念じた。


「わん！」


了承してくれたようだ。


「くぅん、くぅん…」


周囲の粒子から、食べ物を生成してくれている。


「わん！」


出来たようだ。


私の前に、野菜ふりかけのかかったご飯と、わかめとエノキ茸の入ったみそ汁、もずく酢、緑茶が現れた。


おいしそうだ。


「ありがとう、クー。


頂くぞ」


そう言い、私は、もずく酢に手を付けた。


乾いた体を、ひんやりした酢と、もずくが満たす。


「おお！


うまいぞ！」


「わん！」


良い朝食だ。