川の上をレアゲンが放物線を描いて飛び、


バシャン！


後ろ脚から水面に着水した。


そのまま川に沈み―


バシャ、シャ…、


シャシャシャシャシャ！


なっ…。


そ…そんな！


レアゲンの体が…川に沈んでいかない！


後ろ脚で川の上を立って走り…、


凄い勢いでこちらに向かってくるぞ！


し…進化したレアゲン…、


私の想像をはるかに超えている…。


波動をうまく向かわせることが出来たのに…、


圧倒的な速度で浮上され、振り切られてしまった。


そして今は、高速に後ろ脚で水面を蹴り、沈まずに川の上を駆けている。


あまりの能力の高さに圧倒されてしまう…ぞ。


い…いかん、迫力に押され、固まっている場合ではない。


レアゲンがこちらに向かっているのだ。


早く接近を阻止せねば！


私は右の手の平を斜め上に突き出し、


ブ…！


潜水艇の外に周囲の粒子を集め、


ゴォォォ！


レアゲンに向け放った。


大きさ1mの粒子の塊が、川の上を走るレアゲンに向かっていく。


潜水艇とレアゲンとの距離はあと数十mしかない。


あの波動が避けられたら、潜水艇まで接近されてしまう。


何としてでも当てる必要があるぞ！