私は後ろを振り向き、シルに頭を下げた。


「すまない、シル。


私は愚かだった…ぞ。


潜水艇の内側に、粒子を集めてしまったのだ。


それでは、放った波動が、潜水艇の壁に当たってしまう。


レアゲンの接近を食い止めるつもりが…、


潜水艇の潜航を邪魔し、接近の手助けをするところだった。


もう一度、


粒子を集めさせてもらうぞ」


シルが表情を変えず、コクリとうなずき、


「お願い、する」


と、私に言葉を返した。


私は軽くシルに頭を下げ、潜水艇後方に向き直り、


ブ…。


集めた粒子の塊を拡散させた。


レアゲンが迫ってきているのに、


痛い失敗をしてしまった。


その間に、大分、距離を詰められただろうか。


私は潜水艇の外側、


水中の奥をじっと見た。


…！


な…。


ヤ…ヤバイ…ぞ。


大分、距離を詰められてしまっている。


200m以上、距離があったと思ったのだが、


今、レアゲンがいるのは、100m先。


猛烈な速度で、追い上げられているぞ！