「グ！」


レアアメンは、咆哮をやめると、その場で素早く旋回した。


背を向けた状態となり…止まった。


背を…向けた？


進化ではなく…戦線離脱をする…のだろうか？


粒子の波動が…効いた？


そうならば、助かった。


先程、体勢を崩した状態で水を食らったため、体が悲鳴を上げ始めている。


盾で防御が出来たのだが、衝撃をしっかり抑えきれなかったのだ。


進化したレアアメンと戦うには、不安があるのである。


…しかし、この場は逃れられても、


回復したら、また、襲ってくるだろう。


それを考えると、落ち着かない…が、


…どうも、違うようだ。


レアアメンは、その場で止まったままだった。


離脱するつもりではないようだ。


では、一体、どういう意図で、背を向けたのだ？


次の瞬間、それが分かった。


前のめりになると、


ビシャ！


後ろ脚を、水面に強く叩きつけ、


前に90度回転し、逆立ちをしたのだ。


前の2本脚だけで…立っている。


これは！


進化だ！


他のレアコアの欠片も2本脚だけで立ち上がり、進化を遂げたのだ。


その後、能力が格段に向上した。


しかし、レアアメンの進化の形態は、他のレアコアの欠片とは異なっている。


他のレアコアの欠片は、後ろの2本脚で立ち上がった。


レアアメンは、前の2本脚で逆立ちを行っている。


なぜ…だ？


「グゥゥゥ！グゥゥゥ！」


そんな私の釈然としない気持ちをよそに、レアアメンが4本の脚をゆらりと揺らし、咆哮を上げるのだった。