私は、遺跡の外に出ようと動こうとした。


その時だ。


ゴゴゴ。


突然、地面が震えた。


これは…。


「…コウ。


レアコアの欠片が、来た」


シルが部屋から出て、言った。


「！


来るのか！」


まさか、このタイミングで来るとは。


キーを手に入れ、川底から上がろうとした時なのだ。


レアコア…。


時と場所を選ばず襲ってくる、厳しい相手である。


来てしまった以上、戦わざるをえない。


強い欠片でないことを祈るしかないぞ。


ゴゴゴ！


振動が大きくなってくる。


遺跡の外からだ。


私は、遺跡から出て、構える。


バァン！


地面が割れ、勢いよく銀色をしたレアコアの欠片が跳び上がった。


ドォン！


地響きを立て、着地する。


大きい。


2mほどの大きさだ。


見たことがある姿をしている。


私が小さな子供の頃、草むらで土いじりをしていた時に、よく見た。


体を丸める愛嬌のある虫だ。


ダンゴムシである。


このダンゴムシには、そんな愛嬌はなさそうである。


持っているのは、強烈なプレッシャーだ。


「ぐぅぅぅ！」


ドーム内が震える声で咆哮し、私に向かってきた。