私と、情報提供データベースのシルは、遺跡を出た。


「どちらに向かえば良い？」


「アマゾンにまだ遺跡がある。


そこに向かう。


付いて来て」


彼女はそう言うと、浮遊して前へ進んだ。


少女型のホログラフィ。


古代人の文明は、よほど発展していたのだと感じる。


「レアコアの封印はまだ完全に解けてはいない。


その間に力石を手に入れる必要がある」


「ああ。


出来れば封印が解かれる前に、レアコアを倒せるようにしておきたい。


急ごう」


そう言い、私は彼女の後を追った。


30分後…。


彼女が突然、立ち止まった。


遺跡の近くまで来たのだろうか？


「あなたに伝えたいことがある」


伝えたいこと？


何だろうか？


「にゃんこハウス」


「にゃんこ？」


「そう。今、投影する」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


辺りに幻想的な光があふれ、踊った。


そして、集束し、ホログラフィが現れた。

にゃんこハウス NCH-300 ベージュ ＜37518＞

「これ」


「これは…。


猫がいるぞ」


「猫の家」


なるほど。


「これは実に温かそうだ。


良い猫の家に見えるぞ」


「猫が好む広さとフワフワ感がある」


「確かに、猫が居心地が良さそうに見える。


クッション性が良さそうだ」


「猫と遊ぶために、屋根に穴、あり」


「それは、良い…。


猫と存分に遊ぶことが出来そうだぞ」


「快楽猫」


猫と幸せな気分に浸れる家だと感じた。


「…」


「…」


シルが、前に進み始めた。


…情報提供するのが好きなのだろう。


目的を達成したからか、何か嬉しそうに見える。


…気にしないでおこうかな。