休憩ドームでの休憩中。


私はシルが生み出したメガネに感嘆していた。


これは本当にすごいメガネだと感じる。


重力制御により、丈夫になっているだけではない。


はずれにくくなるだけではない。


視力もかなり良くなるのだ。


ドアを少し開け、外を見てみると、遠くまでかなり鮮明に見える。


もしかしたら、視力3.0を超えているのではないだろうか？


ドアを閉める。


今度はドーム内を見てみた。


そこには情報提供データベースのシルの姿があった。


その体は宙に10cm程浮いている。


古代人が作り出した意思石から投影されるホログラフィだ。


目をつぶっている。


地球上の情報をサーチしているのだろう。


その情報を提供するのが趣味なのだ。


シルの姿をじっくり見てみると、可愛らしい少女だと感じる。


年齢は10代半ばぐらいだろうか？


顔は子供っぽい感じだ。


髪は黒のロングヘア。


背は150cmぐらいだろう。


不思議な装飾が施された白のワンピースを身にまとっている。


こうやって見てみると、立体映像という点を除けば、普通の少女に見える。


彼女は以前、自分のことを「物」だと言った。


しかし、そんな風にはとても思えない。


だから私はレアコアの欠片が彼女を襲おうとした時、


思わず助けようとしたのだと思う。


私は浅はかだ…。


それを痛感する。


私は普通の人間だ。


そんな男が古代文明のレアコアという生体兵器に挑んでしまったのだ。


シルが助けてくれなかったら、命がなかっただろう。


自分が「物」だと言っておきながら、優しい感情を持っている。


何か…守らないといけない感じがしてくる。


頑張らせてもらうぞ。


レアコア。