シルの話を聞いて、私は体を震わせた。


「そ、そんな。


次のレアゲンの攻撃、止めないとヤバいぞ」


今、レアゲンがいるのは、15m先。


川底から浮上しながら、こちらに素早く向かってきている。


かなり接近されてしまっており、攻撃を外したら、


次の瞬間には、レアゲンが潜水艇に到達してしまう。


なんとかして粒子の波動を、レアゲンに命中させないと。


しかし、レアゲンは泳ぎがかなりうまい。


先程も、簡単に、粒子の波動を避けられてしまった。


どうすれば、確実に命中させることが出来るだろうか。


…いかん、ゆっくり考えている場合ではない。


レアゲンがすぐ目前まで迫ってきているのだ。


とりあえず、粒子の波動をいつもより速くしよう。


うまくいけば、命中させることが出来るかもしれない。


私は右の手の平を、迫ってくるレアゲンに向け、突き出した。


そして、壁の先の水中に粒子を集め…、


放った。


ゴォォォ！


粒子の波動が、激しく音をたて、レアゲンに迫る。


レアゲンに回避させないため、


粒子の波動、ぐんぐん加速するのだ。


うおお！


私は意志力を高めた。


ゴォ！


粒子の波動が、一気に加速する。


10m、5m…。


レアゲンとの距離が、急速に縮まっていく。


レアゲンは、まだ泳ぐ方向を変えていない。


粒子の波動が、レアゲンの頭を捉えたままだ。


これは…、直撃するぞ！