朝食を食べてから、数時間が経過した。


粒子のイカダは、順調に航行している。


アマゾン川は、流量が凄まじい川であり、ひどく揺れる時があるが、それ以外に問題は発生していない。


大分、落ち着いているぞ。


私は、体を後ろに倒し、仰向けになった。


ドームの天井を透かし、空を見る。


綺麗な青が、私の目に映った。


…良い、天気だ。


雲一つない、晴天である。


澄み渡っている…。


心が洗われるようだ…ぞ。


私は、心地良い気持ちとなり、目をつぶった。


…昼までには、まだ時間がある。


私のお腹が空いていないからだ。


大分…眠たくなってきている。


イカダを動かしてくれているシルには悪いのだが、少し眠らせてもらう…ぞ。


私はそばにあった毛布をつかんだ。


その時―


シルが突然、私の方を向いた。


そして、


おもむろに口を開き、言った。


「コウ。


来た。


レアコアの欠片」