休憩ドームでのくつろぎ中。


「コウ。


気になるものを見つけた」


情報提供データベースのシルが話しかけてきた。


何が気になったのだろうか？


「ウサギのブックカバー」


「ウサギのブックカバー？」


「そう。


今、投影する」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、ドーム内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。





「これ。


ウサギのデザインのブックカバー。


文庫本サイズ」


「おお。


かわいい感じのブックカバーだ」


「ウサギのしおり付き」


ブックカバーのかたわらでウサギが跳ねている。


このウサギを途中に挟むことが出来るのだ。


どこまで読んだか、ウサギが教えてくれるので安心だ。


「優しいウサギのブックカバー」


その通りだと感じた。