私は安堵して、床にあぐらをかいて座った。


辺りを見回すと、洞窟に入る前と少し様子が変わっていた。


木の生え方が少しまばらになり、川岸に大きな岩が目立つようになっていた。


川幅が若干狭くなり、水深も浅くなったように思える。


そして上流の方を見渡すと、


連なるアンデスの高い山々が近くに見えるようになっていた。


大分、上流の方に来たようだ。


次の目的地である超古代文明の遺跡に、あと少しまで迫ったように思える。


「シル。


随分、川を上ったように思える。


目的地に大分、近付いたのではなかろうか」


私はそばに浮かぶシルに聞いた。


シルがこちらに顔を向け、うなずいた。


「近付いてきている。


今日、上れる限界までイカダで川を航行する。


目的地のある山のふもとに、夕方には上陸出来ると思われる。


そこから山を登れば、明日の昼過ぎには目的地の遺跡に到着予定」


「そうか…。


明日にはいよいよアンデスの超古代文明の遺跡に到着出来るのだな。


アマゾンで次の目的地がアンデスだと聞いた時には、


本当に辿り着けるのかと慌てたが…、


ちゃんと近くまで来れて良かったぞ」