休憩ドームでの朝食後、


「コウ。


聞いて欲しい」


少女型情報提供データベースのシルが話しかけてきた。


何だろうか？


「消防車のランチプレート」


「消防車のランチプレート？」


「そう。


今、投影する」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、ドーム内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。





「これ」


「おお！


消防車で食事をとることが可能なのか！


凄いぞ！」


消防車は、火事が発生した時に、火を消し止める機能を持った、特殊な車だ。


いざという時に私達を助けてくれる。


重要な役割を持った車と言える。


そんな車で、食事をするというのは、とても恐れ多いことだ。


そして、贅沢なことと言える。


それを可能とする、この食器は、ありがたいと感じた。