ゴォ…。


潜水艇の潜行する速度が上がっていく。


大分…、速くなった。


確かレアゲンとの戦闘中に、


40分ほどで洞窟の外に出られるとシルが教えてくれた。


それから10分以上、時間が経っているので、この速度で行けば、


あと20分足らずで洞窟の外に到着出来そうだ。


私は床に腰を下ろした。


周りを見回すと、レアゲンの攻撃でダメージを受けた所が元に戻り始めていた。


ひび割れていた床がくっつき、


砕けて穴があいていた天井がふさがってきている。


大分、激しく攻撃をされたので修復するのは骨が折れそうだぞ。


そう思いながら、そばに浮かぶシルを見ると…、


こころなしかさっきより体が明るく光っているように見えた。


そうか…、


潜水艇の加速と修復で忙しくなっているのだ。


川底の地形は所々、複雑になっているところがあり、潜水艇を加速させると、


ぶつからないよう、今まで以上の集中が必要になる。


その集中した状態で潜水艇の修復も行っているのだ。


かなり大変そうだぞ。


…シルが光を弱めた。


どうやら潜水艇の修復が終わったようだ。


完全に床と天井が元の状態に戻っている。


これで潜水艇内に川の水が入ることがなくなり安心だ。


シルも潜水艇の潜行にのみ集中すれば良くなった。


ゴォ…。


若干、シルが潜水艇の速度を上げてくれたようだ。


洞窟の外に到着するのも時間の問題だぞ。