「グゥゥゥ！


グゥゥゥ！」


は…早くレアゲンの脚の下から逃れないと…！


刀で脚を押し返せるだろうか！？


私は刀を持つ両手に力を込め、頭上のレアゲンの脚を思い切り押した。


「グッ…！」


レアゲンの脚がわずかに持ち上がる。


しかし―


「グゥ…ゥゥ！


グゥゥゥ！」


すぐさま重たく激しく圧力をかけられ押し戻されてしまった。


くっ…、押す力に圧倒的な差がある。


再び試しても、押し返せる感じがしてこないぞ！


ど…どうすれば…。


押し返す以外に何か方法は…。


「グゥゥゥ！


グゥゥゥ！」


た…試しに刀を振動させてみるか…。


うまくいけば水中での戦闘の時のように、後ろに弾くことが出来るかもしれない。


振動するのだ、刀よ！


ブ…！


刀が激しく震動し、


バ、バァン！


レアゲンの後ろ脚を強く叩いた。


「グッ…！」


弾かれてレアゲンの脚が持ち上がる。


しかし―


「グゥ…ゥゥ！


グゥゥゥ！」


後ろにバランスを崩すことなく、


何事もなかったように振動する刀に後ろ脚で圧力をかけだした。


くっ…、振動が通用しなかった。


戦闘中にすでに使用した手であり、レアゲンに警戒されていたのだ。


…ヤ、ヤバい。


大分、両腕に力が入らなくなってきている。


床に倒れ伏すのも時間の問題だぞ！