い…いかん。


進化に驚いて固まっている場合ではない。


こちらに向かって凄い勢いでレアゲンが迫ってきているのだ。


もうすでに100m先の川底だ。


早く接近の阻止を試みる必要がある。


波動を放ってレアゲンに向かわせねば。


進化して一段と速度を高めており、当てるのはとてつもなく難しく思えるが、


100%不可能ではないはず。


極限まで動体視力を高めてレアゲンの動きを追い、


動いた先にすぐに波動を向かわせ、直撃させて足止めする。


それを何度も成功させて潜水艇との距離を詰めさせず、


洞窟の外まで逃げ切るぞ。


私は右の手の平を前に突き出し、


ブ…！


潜水艇の外に周囲の粒子を集め、


ゴォォォ！


レアゲンに向かって放った。


大きさ1mの粒子の塊が、川底を走るレアゲンに向かっていく。


急速にレアゲンとの距離が縮まっていき、あと数十mまで迫る。


波動が大分…レアゲンに近付いた。


もうすぐ回避に動きそうに思えるが…。


グゥン！


動いた！


わずかに左に走る方向を変えた。


すぐに波動を曲げねば！


左に曲がれ、波動！


グゥン！


私の意に従い、鋭く波動が曲がる。


よ…し、遅れずに波動をコントロールすることが出来た。


まだ波動が進行方向にレアゲンの体を捉えている。


このままいけば波動が当たるが、


進化したレアゲンなのだ。


接触する前に今まで以上の勢いで回避に動くだろう。


神経を研ぎ澄まして、その動きに瞬時に反応出来るようにしておくぞ。


そして、今まで以上の勢いで波動を曲げて、


レアゲンに直撃させる。