「すまない。


コウ。


危険を発生させてしまった」


シルが、地面に膝をつく私に、申し訳なさそうに言った。


「いや…。


大丈夫だぞ。


アマゾン川の流量は、なんと凄まじいことか」


私は、そう言い、よろよろと立ち上がる。


そして、地面が濡れていない場所まで上り、座った。


「くぅん」


座った私に、クーが鳴きながら、近付いてくる。


そして、私の前に、飲料の入ったコップを出現させた。


「おお…。


ありがたいぞ」


この飲料は、レアダニとの戦いの後に、もらったものと同じだ。


周辺に存在する栄養成分を凝縮して作った、回復ドリンクである。


これでレアダンとの戦いで、消耗した体も全快だ。


私は、一気にドリンクを飲み干した。


飲んですぐ、体の疲れが取れ始める。


数分後には、動けるようになりそうだ。


しかし、空を見上げると、陽が少し落ちかかっている。


今日は、それほど進めないだろう。


今日中に、次の遺跡に、到着出来るだろうか？


「シル。


次の目的地は、どこにあるだろうか？」


私は、シルに聞いた。


私の横で、浮遊していたシルが、それに答える。


「アンデス山脈」